—はじめに—
2025年に天変地異がおきるのか?
そんなことは私にはわかりませんが、備えあれば憂いなし!ペットと呼ばれる家族がいる私たちにとっては、防災と言っても乳幼児がいる家庭と同様、備えも変わってくると考えます。
また、避難所に入れないことも考慮した上で考えていく必要があり、ペットさんの防災はわたしたち保護者(飼い主)にかかっているのです。
なので、ペット食育上級指導士として、パピーから老犬まで健康な子から持病のある子まで育ててきた経験や、15年になるサロン運営を行ってきたプロの視点、そして健康寿命を育むことを生業としてきた専門家として
ペットの防災についてまとめてみました。
参考になりましたら幸いです。
ーもくじー
- 災害時のペットフード選びと備蓄の基本
- 災害時でも安心できるために日常で育むべき3つのこと
- 食育でできる健康管理
- 体にいいフードとは?
- まとめ:災害時に備えたペットの食育が実現する未来
はじめに
災害時にペットの健康を守るための備えの重要性
本日のテーマは『食育でできる災害対策』です。みなさんは災害に対して具体的にどんな対策をとっていますか?
わたしは九州の大分県に住んでおります。南海トラフ地震が発生したとしたら、とてもリスクが大きいと言われている地域です。
一般的に言われていることとは若干違った視点で、やっておくべき備えとして大切だと思う事をこちらで共有させていただきます。
備えはこの2つの視点で!
①まさにその時のための物質的な備え
②日常的に行う精神性の備え
そもそもやっておくべき備えは、
『①物質的な備えと②精神性の備え』のこの2つの視点からはじまると仮定します。
①ももちろん大切なんですが、②になる後者が特に大切だと私は思います。その辺をお伝えしたいのです。
では、それぞれについて具体的にお話しさせていただきますね。
※①は一般的に言われていることも重複します。再確認にご活用ください。
①物質的な備え
災害時のペットフード選びと
備蓄の基本
-備蓄に適するペットフード-
どんな状況を想定するか?で備蓄しておくべきものは変わってきます。
自宅で避難なのか、自宅からも逃げるのか、etc
ですから、ここでは自宅で避難するケースと自宅に戻れる予定のケースでの備蓄をお伝えいたします。
まず、備蓄と言えば思いつくのはドライフードなのではないでしょうか?
でも、ちょっと視点を変えて、以下のものを備えておくことをおすすめします。
それは・・・
『保護者とペットさんが共有できる食材』です。
例えば・・・
乾燥オーツ麦、ビーフン乾麺、春雨、乾燥野菜、乾燥しいたけなど乾燥食品
サバの水煮缶、シーチキン水煮缶、鶏の水煮缶
フルーツの缶詰や個包装羊羹などなど
通常の食材としても使え、保存性が高く、犬猫人間と共有できる食材
ペットさんにどう使うか?どう食べさせるか?知っておく必要はありますが、それさえわかっておけば、こういった食材を非常食としてストックしておくことはとてもおすすめ
だって、ドライフードはわたしたち人間は食べられないし、普段ドライフードを食べさせていない場合はペットフードをあげるのにも抵抗もあるでしょう。
人間とペットさん、同じ食材をストックしておくというのは、賞味期限の管理にも便利です。
なにより!いざ!使おうと思った時に、賞味期限が切れていたとしても私たちが味見をして確認してから食べさせてあげれるのもいいですよね。
もちろん、水のストックは欠かせません。
最悪水さえあれば、食べれなくても生き延びることも可能です。
逆に、アレグリアスフードのように人間が美味しく食べることができるペットフードの備蓄、これも万が一の時は共有可能です。
真空冷凍ですから冷凍庫は必要ですが、保存期間もある程度あります。
また、冷凍庫の中にある食材というのは、被災時の冷蔵庫の保冷剤代わりにもなるし、水分補給にもなります。
例えば冷凍ストッカーは停電したとしても、中の凍った食材のおかげである程度は保冷が保たれるそうです。
冷凍庫ぱんぱんの方が電気代かからないのはそういうことなんですね!
-その他 備蓄品-
一般的に言われている人間の防災用品のプラスアルファでペットさんが家族だからこそ、あったほうがいい!と思うものを追記させていただきます。
全部で14!長いですよ〜(笑)参考にしてみてくださいね。
1)湯煎できるビニール(食品のあたためや煮炊き、食器のカバーとして使える)
2)ステンレスの器(水分補給、食事、なんでも使えるし、シリコンタイプの折りたたみ器より衛生管理がしやすい)
3)予備のリード(車、玄関、寝室、廊下などあらゆるところに用意)
4)ハーネス派の方は首輪(常につけておくこと推奨。緊急時使いやすく安全)
5)布製ガムテープとアルミホイル、大判の綿花(特に抱っこできない大型犬は足裏を守る簡易靴が作れるし、手持ちの靴の靴底強化にも使える怪我の応急処置にも使える。)
※こちらはyoutube動画で作り方をご覧いただけます。
6)ひっつく包帯(靴にもなる。通常の包帯は毛のある動物には使いにくい)
7)その他エマージェンシーグッズ(人間と共有できるもの。消毒液、ガーゼなど。ネットも活躍する。高濃度イソジンも用意すると安心)
8)洗い流さずに汚れを落とせるシャンプーと(マジカルシャンのような安全で洗浄力の高いものがのぞましい。体の衛生管理に使える。)
9)破れないキッチンペーパー(口内ケアにも体ケアにも使える)
10)口に入れることができる安全性の高い除菌材(消えミストなど。口内の洗浄や体の衛生管理に使える)
11)カラビナなど(避難時に、体や何かに一時的にでも係留できる)
12)大判の布やアルミシート(バスタオル・ブランケットなど。防寒、敷物、吠える時の目隠しなどあらゆる使い方ができる)
13)ハードタイプのキャリーケース(恐怖で興奮した犬はソフトタイプは破る可能性あり)
14)ノミダニ、フィラリア対策用動物医薬品(夏場過ごす場所によっては絶対必要。2ヶ月分は入れておくといい)
そのほかは人間が被災時に必要と思うものがあればOK!
②精神的な備え
日常で育むべき3つのこと
これが最も大切なことだと思います。『傘は晴れの日に買え』
何かが起きたときに、本当に役にたつ備えというのは日常で育むものという視点です。
もちろん、先ほどピックアップしたような「物質的な備え」はもちろん必要ですが、その前にコレがあるからこそ『生きる力』が生まれ、何かの時に一番大切になる『運力』『底力』が育まれるのではないでしょうか?
それはいったい具体的にはどういうことか?
今から3つお伝えさせていただきます
-①回復力と免疫力-
有事には、何かが起きる可能性が日常より高まります。
そんな時に、絶対的に裏切らないのはペットさん自身がもつ免疫力や回復力です。
その大切な免疫力や回復力は、日常で『暮らしの中』で意識しながら育まれるものなのです。
例えば、環境が変われば、体に侵入してくる病原体も変わる、そんな時には体が処理してくれます。同じように食事やライフスタイルの変化、温度変化、あらゆる変化にも柔軟に対応できる体を育んでおくこと、それが本当に大切な防災なのではないでしょうか?
災害だけでなく、突発的な病気など、生きていたら何かが起きます。
あらゆることに動じない、動じても回復できる
そんな体を育むことは一朝一夕ではできないからこそ
食、暮らし、日常から整えることが
大切です。
-②ペットのメンタルウェルネス-
つぎに、ペットさんのメンタルウェルネスについてです。
心と体は密接に繋がっています。ストレスを慢性的に感じていると脳のホルモン分泌にも影響を及ぼし、神経の動きから内臓までその影響は広がっていく。だからこそ、日常から、そういう心身にマイナスの影響を及ぼすわんちゃんの思考ぐせを整えていくことがとても大切です。
思考ぐせとは性格とも言えますが、それは変えられないものではありません。もちろん、その個体の性質は変えられないけれど、性格は『学習と体験』により、変えられるのですから。
だから、『怖がりな性格』とか、『伝わらないから』と、わんちゃんの性格、心のこと、コミュニケーションにおいて問題と感じていることを放置するのではなく、向き合ってきちんと取り組む事は防災という視点でみても、未来を考えても大切なことなのではないでしょうか。
私自身、『なんでも平気な犬育て』というコンセプトで、犬の保育やしつけ相談など承ってきましたが、犬はしっかり学び、成長し、変化することができると確信しています。
日常も豊かになるし、災害時にも大きな安心にる
ペットさんのメンタルウェルネス
日常から考え、取り組んでいくことが大切です。
きちんと取り組んだ事がない方は、一度
しっかりと取り組んでみることをおすすめします。
まずは犬を知ることから
-③保護者のメンタルウェルネス-
つづいて、保護者の精神状態が及ぼすペットさんへの影響についてお話ししますね。
『実は、わんちゃんは私たちの分泌するホルモンの匂いまでかぎわけることができるとご存じでしょうか?』
ストレスホルモンが出ているのか、幸せホルモンが出ているのか、すべてわかっています。
また、彼らは受容の性質をもっていることから、ママさんに同調するんです。言葉は交わさなくても、感情が伝播するんですね。
不安は不安を共鳴させ、イライラはイライラを共鳴させ、恐怖は恐怖を共鳴させます。
ですから、保護者、ママ、家族である私たちのメンタルウェルネスがとっても重要なんですね。
どしんと安定、安心しているのか、そうでないのか、わんちゃんは常に感じています。
そして、心と体は繋がっているから、保護者の精神状態が、不調や病気を招く心の状態にならないということが大切です。
そのためには、『わからないことがないこと』、『何が起きても動じない柔軟な受容』こういった状態に在ることが大切です。
だから、『学び』や、『多くの視点をもつこと』を日々積み重ねていくことが必要です。
例えば、犬の食、代謝、行動や感情においての知識や経験が多ければ多いほどに、有事にも『動じない』でいられたり、『動じてもすぐに平常心に戻れる』のではないでしょうか?
わたしの食育講座を受けてくださる方や、個別カウンセリングなどを活用される方は、『考える・行動する』ということを意識されて実践されていますが、
実際にこうおっしゃる方が多くいます。
『日頃のちょっとした不調にも慌てずに対応できるようになった』
『情報にふりまわされなくなった』
『我が子のことを思うあまりに不安になることが無くなっていく』
犬との時間がより豊かになり、お互いにいいエネルギー交換ができるようになったことが想像できます。
日常にも役立ち、有事にも役立つ
それが本当の防災なのではないでしょうか?
要となる自分のメンタル、整えておきましょう。
食育でできる健康管理と防災
次は、さきほどお話しした日常で育むべき3つのことを、具体的にどう行うか?という視点をあわせてさらに噛み砕いていきますね。
-災害時も変わらない食育スタイルで
ストレス軽減-
また、日常的に手作り食を食べているということが、災害時などのいざという時にとっても役に立ちます。
なぜならば、災害時にいつものカリカリを食べられないようになる可能性があるからです。
災害時には、いつものフードを持って逃げることができなくて、犬のフードなんて支給されず人間に対して食べ物が支給されるのが先です。
そんな時、 普段から手作り食を食べていると、その人間に対して支給された食べ物を安心して共有することができる上に、犬の身体的にも準備が整っているということになります。
普段から手作りのごはんやうちのアレグリアスフードのような自然食をしていると、腸内細菌の種類も増え、いわゆる『なんでも平気な体になっている』ことが多く、配給の人間の食事を食べて便が緩くなるなどの心配も必要なくなるからです。
※どうしてなんでも平気に?どうしたらなんでも平気に?詳しくは食育講座や個別カウンセリングで
-普段からの食事で培う免疫力と回復力-
なにより!普段の食育で体の土台が整えられていることが、有事でもしっかり免疫力を発揮するための秘訣ではないでしょうか?
災害時は、室温や気温の調整もできなくなったり、衛生的にも不安材料が増えます。
そんな時に、感染症対策として最も役立つのは、『ペットさん本人の体の免疫力』です。
怪我をしてしまった時の回復力も、土台として育んだ体の健康状態と比例するものではないでしょうか?
だから、日常で体の健康状態を育むような食生活をおくること、そして、そういうフードを選ぶことをおすすめします。
体にいいフードとは?
体にいいごはんとは、いろいろな定義がありますが、絶対的に間違いないのはこの3つのポイントをおさえることだと、私は考えます。
-危険な匂いと安心の匂い-
『匂い』、これは鼻が健全かどうか?にもよるところがありますが、1つの指標となります。
具体的には、酸化したアブラの匂いやペットフード特有のあの匂いがするものは避けるということです。
手作りごはんとして売られているウエットフードや高級志向のペットフードが増えてきました。
私が手作り食をはじめた18年前、販売を始めた7年前に比べて、アレグリアスフードのように『手作り』とされているフードもずっと増えてきました。
ホームページや謳い文句を見ると、どれも『安心』できそうだし、あまり変わらないレベルにあると感じます。
だけど、やはり『匂い』でそのフードの質はわかるものです。
これは、うちのフードを気に入って購入くださるお客様も口を揃えておっしゃることでもあるので、わかりやすいのだと思います。
匂いの違い、感じてみてください。
『わたしも食べたいと感じれるか、その香りが尖ってないか?』です。
添加され食欲をそそる匂いやもわんとした匂いとは違います。
ペットフード特有のあのニオイ、そして酸化したアブラのニオイは要注意と、私は考えます。
その理由は、なぜ、ペットフードだけあの特有の匂いがするのか?という問いから得られると思います。
-生産量-
どんな食材で作られているか?とか、どんな栄養配合か?とか、どういうコンセプトなのか?とか、そういった部分を見て選ぶ人は多いのではないでしょうか?
それとあわせて、ぜひ、生産量も気にかけてみてください。
大量生産品はあくまで大量生産品です。
どんなにヒューマンクオリティだとか言ったところで、大量生産品ならではのデメリットもあるのですから。
実際に、今の時代は人間の食品であっても、流通にのっているものはあらゆる添加や加工が施されているものばかりです。もちろん、おかげで買いやすいというメリットもありますが、その分デメリットもあるということは否めません。
-加工の度合い-
また、これは言わずともがな・・・・ですが、生鮮食品を使い調理したものと、加工されたものでは明らかに前者が安全。
ペットフードとして流通にのっている大量生産品はもちろん加工品ですから、少しでも生鮮食品に近いものや信頼できるものを買うということが必要になるのではないでしょうか?
アレグリアスフードは、強く意識していることがあります。それは、生産者の顔や心と触れておくことです。
お米ひとつみても、加工食品だとプラスチック米などが懸念されるような時代ですから、購入先も選別します。
大分県でプライドをもって長年自然栽培にチカラを入れている農家さんとたくさんと話し、農地を共に歩かせていただき、草むしりを手伝いながら想いをきかせていただき、選んだ世界でたったひとつのお米を使用しています。
もちろん野菜も同様、無投薬肉や天然魚を使うなど、食材にこだわっているのは、私自身がそういった食材への意識の改革で体の変化を体験し続けてきたからでもあります。
食べたもので体は作られているのだから。
まとめ
災害時に備えたペットの食育が
実現する未来
どうでしょうか?
物質的に備える災害対策も大切ですが、やはり最も大切なことは
有事に耐えうる体と精神なのではないでしょうか?
人間も極限のときに一番役に立つのは、知恵や起点、体力や精神性など自分自身です。
犬も同様、強い精神と健康な体は有事に役立ちます。
だから、日々の食育が根本的な災害対策にはうってつけだと私は考えます。
☑️日々の食育で育む生命エネルギーの高い体
☑️日々の食育を行おうとすることでできる保護者(飼い主さん)の知識や判断力
この2つの軸は間違いなく有事にチカラを発揮するのではないでしょうか。
だから、日常で災害時に備えてドライフードを食べさせるのではなく、体を育む食育を心がけることが大切です。
それに、そういった『もしも』が起きなかったとしても、
心と体を育む食育は
最後の時まで自分の足で歩ける
健康寿命の長い老後を送るための
一助となることでしょう。